「野球の亀様」のキリッと引き締まった始球式

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亀梨和也は、2012年もプロ野球の始球式を行った。

改めて述べるまでもないが、3月25日の巨人対アスレチックス戦のことだ。

芸能人や政治家が出てきて、山なりで2バウンド以上しないとキャッチャーに届かないのに、バッターがわざとらしく空振りをする「花」始球式ではない。真剣投球である。

「野球の亀様」のキリッと引き締まった始球式は今季も健在である。

亀梨和也が、プロ野球の番組に出演したり、ガチ始球式行脚を行ったりすることから、亀梨和也ファン以外の一般視聴者にも、「亀梨和也は野球を経験しているらしい」ということは知られるようになたのではないだろうか。

そう。亀梨和也は、野球をやったことがある。だからこそそうした仕事ができるのだ。

もっとも、芸能人のプロフィールや自己紹介で、趣味や経験したスポーツに「野球」を挙げる人はいる。

我々でもよく遭遇するだろう。「学生時代、野球やってまして……」なんていう人。

だが、野球といってもいろいろある。よく聞くと、草野球程度にすぎないことが多い。

もちろん、草野球では野球をやったことにならない、などといいたいわけではない。ただ、草野球というと、拡大解釈すればテニスボールを使った三角ベースだってそうなってしまう。

はたして、それを経験したぐらいで「野球をやった」と胸を張れるのか、どのくらいなら「野球経験者」といえるのだろうか。

いずれにしても、亀梨和也にとっての野球との関わりは、もう少し本格的なものである、という話をしたいのだ。

野球漫画『タッチ』の主人公・上杉和也からつけられたといわれている亀梨「和也」。小学校1年生の頃からの野球少年で、6年生で日本代表の選抜メンバーとして『少年軟式野球世界大会』に出場している本格派だ。

当時を知る先生はこう語る。

「亀梨君、まじめでいい子でしたね、とにかく本当に野球が大好きで、絵に書いたような野球少年でした。学校ではバスケットボールクラブに入っていましたよ。運動神経が抜群でしたから、バスケットボールクラブでも大活躍でした。彼の一番偉いところは、ミスをしてしまった同級生を責めないでむしろ、

『ドンマイー！』
と声をかけてあげられる所です。そういう精神はきっと野球で鍛えられてきたんじゃないですかね。マラソンも速くて、確か5年生の時に5位でした。彼はそれがくやしかったようで、

『先生。俺6年生では3位をとりたいの。だから、マラソン大会にむけて毎日校庭を3週は走るよ』

　と言っていて彼は本当にそれを実行して、見事3位になり賞をとった。このように自分で目標を決めそれを達成するための努力ができる子なんです」（Jマニア100）

亀梨和也の少年時代というのは、ほとんど今と同じメンタリティのようである。

中学に入った亀梨和也は、江戸川東リ卜ルシニアという硬式野球チームに入団した。これまで30年の歴史を誇る名門チームである。

「リトルシニア」というのは、少年野球の機構に所属するチームである。

我が国では、あちこちの野球場で野球の試合が行われているが、個人が自由にチームを作って試合をする草野球と、機構に所属したチームに入団する場合とに分かれる。前者が私塾で、後者が公式な学校のようなものだ。

私塾は履歴書には書かないが、学校は「学歴」になる。つまり、機構に所属するチームでプレーする者は、正式な肩書きになる。

日本の野球機構というのは、頂上にプロ組織がある。巨人や阪神といったNPB（日本プロ野球機構）だ。最近はそれに準ずるや独立リーグといわれる関西や四国、北陸などの地域リーグといったプロ球団のリーグがある。

そして、ノンプロといわれる企業の野球部などが所属する日本野球連盟や、学生野球は大学野球や高校野球がそれぞれ機構を構成している。

さらに中学生はリトルシニアといわれる協会加盟のチームでプレーする。いわゆるシニアリーグといわれる。「シニア」とつくのはリトルリーグのお兄さんという意味である。

亀梨和也は、その機構に属するチームに入団したのだ。

つまり、亀梨和也は、決して任意のチームで草野球をしていたのではなく、正式なアマチュア少年野球機構の中の名門チームに所属する主力選手だったのだ。

すなわち、亀梨和也が元少年野球の選手だったというのは根拠の曖昧な「自称」ではなく、社会から正式に認められる称号なのである。