焼肉屋で「出待ち」した熱意を込めた演技！

草なぎ剛 歳時記 ＞ 草なぎ剛とビートたけし

SMAPで「一人勝ち」の評判も

草なぎ剛の出演する映画が話題になっている。といっても「任侠ヘルパー」の方ではない。高倉健が6年ぶりに映画出演する『あなたへ』（降旗康男監督）という作品だ。

報道では、高倉健とビートたけしが26年ぶりに共演することが強調された。もちろん、この稿でわざわざ取りざたすのはそのことではない。発表されたキャストの中に草なぎ剛が入っているのは感慨深い、という話である。

「注目は1985年に公開された『夜叉』以来、実に26年ぶりの共演となる本紙編集長のビートたけし（64）。「四半世紀ぶりに高倉健さんと一緒にお仕事できるということで、とても楽しみにしています」とコメント。高倉演じる刑務所指導技官が、亡き妻の故郷九州へ旅する道中で出会う自称元中学教師をたけしが演じる。

　他の出演者も豪華。田中裕子（56）、佐藤浩市（50）、長塚京三（66）、浅野忠信（37）、綾瀬はるか（26）、草なぎ剛（37）らが脇を国める」（『東京スポーツ』9月28日付）。

なぜ「感慨深い」のか。草なぎ剛にとってはたんなる新作出演ではないのだ。本作は、出演者としてビートたけしと名前が並ぶことに大きな意義がある。

というのは、08年に公開された『山のあなた〜徳市の恋〜』は、盲目のマッサージ師を好演したにもかかわらず興行収入は3億で「大コケ」といわれた。「いい人」の路線でそれなりに順調だった草なぎ剛にとっては大きな挫折で落ち込んだといわれる。

そのとき、ジャニーズタレント・草なぎ剛はどうやって打開しようとしたか。映画監督としてのビートたけしに直訴してたけし映画に出演させてもらおうとしたのだ。

ビートたけし監督から何かを学びたかったのだろう。ビートたけしがスタッフと焼肉屋に食事に入るところをつかまえ、ビートたけしの食事が終わるまで表でじっと待っていたという。

ただ、ビートたけしはその一途さが重かったようで、そのときはいい返事をしなかった。

草なぎ剛がフルチン絶叫事件を起こしたのはそれからまもなくのことである。　

謹慎後、アラフォーの開き直りと従来の「いい人」路線でカムバックした草なぎ剛が、ここにきて、因縁のたけしとやっと共演することになった。だから感慨深いのだ。

ジャニーズタレント・SMAPの草なぎ剛にとっても感慨深いことだろう。

もし、ここで草なぎ剛がいい仕事をすれば、今度こそ彼はビートたけし映画の出演を約束してもらえるかもしれない。その意味でも草なぎ剛にとっては大切な仕事である。