一番小さい奴が一番大きい奴に兄貴ヅラする構図

たんにチビだから「オイシイ」わけではない

中居正広が、城島茂に暴露された「身長逆詐称疑惑」。中居正広本人曰く、170cmのところを165cmとプロフィールに申告したという。もともとジャ二−ズタレントは身長170センチ以下の小柄で華奪なタイプが少なくないが、中居正広の公式発表は165センチ。
インターネットの百科事典「Wikipedia」によれば、「身長165cmとしているが、それより低いのではないのか、という身長詐称疑惑がよく流れている」とまで書かれていた。

しかし、その一方で、07年8月5日放送の『笑っていいとも!増刊号』で身長測定をしてみたところ、169.6cmあり、靴下とニット帽の分を引いてもタモリ日く「168cmはある」と併記されていた。

つまり、中居正広プロフィールの「逆サバ」は、公然としていたことだったのだ。

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そもそも、身長タブーといえば、同じSMAPの木村拓哉が“本家”として、小雪や林志玲(リン・チーリン)を猫背にして迷惑をかけ話題をさらってきたため、そちらに任せ、中居正広の方はもっぱら“頭髪疑惑”と“メタボ問題”の方を担当していた。だから、それ自体は「何を、今さら」という問題なのである。

それが、2011年の正月番組で改めて身長「逆サバ読み」が話題になり、アッサリ本人の口から真実が告白された。が、そこには、実際の身長がプロフィールと違うという“逆サバ”それ自体ではなく、別の意味での「発見」が隠されていたのだ。

トークは流れていったので、細かい解説なしに城島茂によって「スゴイ」とまとめられている。

この放送で何となく分かったのは、身長が実際よりも下と思われた方が、目立ってオイシイという中居正広なりの“キャラ設定”があるということだ。

だが、なぜそれが165cmに設定されたのか。そして、「スゴイ」というほどのことなのか。「チビがオイシイ」なんて、まるで身長が低い者への蔑視ではないのか。このトークだけでは、そうした疑問も湧いてくる。

それをさらに明らかにするには、2週間後の2011年1月15日夜に放送された『中居正広のSome girl' SMAP』(ニッポン放送)で語られた真意を待つしかなかった。

ファンの問では尾を引き、番組ではさっそく「中居クンが信用できなくなりました」という過激な投書を紹介。その上で中居正広は真意を語った。

「何で65(センチ)って言い張ってたかっていうと、ちょうど18(歳)とか19(歳)ぐらいで、香取君がグンて(背が)伸びたんですよ。で、最年少の香取君が一番おっきくて、一番年上のオレがいちばんちっちゃいっていう。これ、面白いじゃないですか。一番年上なのにいちばんチビだっていうの。かっこわるくて面白いなって。かっこわるいことが面白いという、安易な考え方。そう直結しちゃうの、オレの脳みそ。(中略)

ちょうど香取君が181とか182とかいってて、どんどん(メンバーの身長を)抜かしていってたから。草なぎ君も、そんなにオレとはかわんなかったりしてたから。65ぐらいが(一番小さくなるから)おもしれえなと。ふふふ。城島君、よく憶えているよな。ホント、よく憶えてるよね。でもそうすっと今度は逆に、170ねえだろって (言われる)。いいよ、なくたって。別に170にこだわってねえし」

誤解のないように中居正広にかわって解説すると、中居正広は「チビ」自体を「面白い」と言っているわけではない。だから、身長が低いことを蔑視しているわけではない。

たんなる「チビ」ではなく、一番年上のくせに、というところが大事なのだ。年上でリーダー。つまり、自分は偉そうに意見を言う立場になる。本当なら、大きい者が小さい者に説教するイメージだ。なのに一番背が小さい。一番小さい奴が一番大きい奴に兄貴ヅラして偉そうに言う。中居正広は、そういう構図のおかしさを「面白い」とイメージしたのである。

中居正広が一番小さくなるには、香取慎吾だけでなく、他のメンバーよりも小さくなければならない。同じぐらいの草なぎ剛との兼ね合いから65という数字が出たわけだ。

そしてそのような構図はおそらく、リアルな生活で不良の側にいて説教されてきた中居正広という人間の、説教する側への反骨精神のあらわれ、といったら深読みのしすぎだろうか。