後継者騒動

端緒はすでに7年前から

ついたように見られているが、しかし、中居正広や木村拓哉など、SMAPのタレント価値だって決して侮れないため、今後のSMAPや飯島三智女史らの動向が注目されていることにかわりはない。さて、そのジャニーズ事務所の後継者騒動だが、その端緒はすでに7年前からあっともいわれている。

「大野智・大麻疑惑」報道の余波がSMAPに......

2008年7月~8月にかけて、ジャニーズの「大野智・大麻3P報道」関連の記事が続いた。

「東京スポーツ」(2008年8月5日付)には、次のような記事が出た。

「嵐・大野 大麻3P疑惑の余波
フジテレビのジャニーズ離れ加速か
事務所と親密な編成局の
X氏が制作から外された

 ジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」のリーダー、大野智(27)の“大麻疑惑報道”の余波がついにテレビ局にもやってきた。ジャニーズに最も近いといわれるフジテレビが"ジャニーズ事務所の窓口"といわれた編成局のX氏を、制作とは無関係の部署に異動させたのだ。

「フジとしては、SMAPのチーフマネジャーI女史さえしっかりつかんでいればSMAPの出演だけは確保できますからね。局内でX氏を異動させたということはジャニーズ離れが起こっているからですよ」(テレビ関係者)
(中略)
フジは最近、経費の大幅節減を打ち出してますからね。X氏を外してジャニタレの起用を制限しようとしているんです。同時にジャニーズを含めて、大手プロとの“癒着体質”を解消する狙いもあると思います」と某民放局ディレクターは指摘するが、果たしてどうなることやら...。


テレビ局とタレント事務所の癒着はジャニーズ事務所に限らない。

今回の狙いが、それをクリアにするためということが本当なら、それ自体は視聴者にとって喜ばしいことだが、ならばジャニーズ事務所だけでなく、他の大手事務所に対してもそうすべきだ。

今年初めのメリー喜多川の宣言で、「I女史」は、事務所内では微妙な関係にあるといわれる。

SMAPは、決して順風満帆にこんにちまで歩んだわけではなく、どちらかといえば「落ちこぼれ」のグループだった。

デビュー1年目に名古屋のレインボーホールで開いたライブでは、ジャニーズタレントとしては落第点といえる半分以下の客しか集められなかった。

グループは以後、ドラマ組(森且行、木村拓哉、稲垣吾郎)とバラエティ組(中居正広、草なぎ剛、香取慎吾)に分けて売る戦術をとった。

そして、木村拓哉が1993年に「あすなろ白書」(フジテレビ系)でブレイク。

以来、もともとグループでは脇の位置だった木村拓哉を中心にして、森且行が脱退してからは、メンバーがドラマとバラエティの相互乗り入れ路線をとることで、グループとしても個々のメンバーもさらに仕事の幅を広げて化けていった。

この経緯だけを聞くと、事務所の辛抱強いマネジメントが奏功したようだが、もともとリストラ候補ですらあった彼らを面倒見たのは、メリー喜多川ではなく「I女史」こと飯島三智だった。

「ジャニーさんがやる気だったにもかかわらず、メリーは初めからSMAPが売れるとは思ってもいませんでしたから、一介のデスクだった飯島三智に『アンタ、勝手にやっておきなさいよ』という調子でマネジメントを任せていました。事務所がそんな調子だから、森が抜けて、翳りが見えたとしてもおかしくないんですよ」(2007年1月号『紙の爆弾』で音楽ライター)

それが飯島三智のがんばりで、SMAPのこんにちの隆盛を築いた。SMAPのメンバーが飯島三智を深く信しているのは当然のことだ。

しかし、それは、本来のボスになるべきメリーの娘・ジュリーの立場を微妙にする。

創業者の後継者であるジュリー景子と、SMAPを擁する飯島三智がギクシャクしていることに頭を痛めたジャニー喜多川は、昨年の夏、ジュイ・ドリームという会社を設立した。

それが、SMAP・飯島三智の半独立状態を作り上げ、彼らの完全独立問題をいつも火種に抱えることとなった。

フジテレビは、SMAP完全独立後のことを考えて、ジャニーズ事務所とニュートラルな距離を置こうとしているのか。そんな読みもできるのではないだろうか。

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