ジャニーズタレント徹底論考

滝沢秀明が東京・日生劇場で公演中の『滝沢歌舞伎2011』で会見を行い。「東北地方には大河のロケなどで本当にお世話になった。心配。時機を見て、実際に皆さんの顔を見に行きたい。範囲は広いけれど全部行きたい」と、舞台公演後に東日本大震災の被災地を訪問したい意向を明かした。実現すれば、勝手にお忍びで訪問した田中聖、中居正広に続いてジャニーズタレント3人目の被災地訪問となる。

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滝沢秀明はジャニーズ事務所が支援用の電源車とトラックを貸し出した際に、今井翼や中山優馬とともに荷積みをして立ち合っている。その時も被災地訪問を希望し、実現すれば被災地訪問“ジャニーズタレント一番乗り”だったが、『滝沢歌舞伎2011』の公演もあり、事務所に制された。

ライフラインも復旧しておらず、放射能による避難など混乱とリスクのある中で、舞台を抱え代替のきかないタレントの訪問を制するジャニーズ事務所の判断は賢明であると思う。

だが、その中で事務所のいうことを聞かないヤンチャと男気の代表格、田中聖と中居正広は被災地を訪問した。田中は物資が十分に届かない宮城に一泊し、中居は放射線物質の濃度が高い福島にお忍びで訪れた。このヤンチャはもちろん善意からのもので責められるはずがない。

滝沢秀明がジャニーズタレントとしては3人目の被災地訪問者になれるかどうかは、事務所の意向やスケジュール調整の問題となるだろう。

滝沢秀明は記者会見で、「被災していない僕らが後ろに下がっちゃダメ。僕らが皆さんを元気づけなければ」と舞台に立つ者としての覚悟を語り、「地震で会場にいらっしゃれない方のためにも一生懸命やると決めた。『ずっと皆さんのことを見てる』と伝えたい」と演じ続ける決意を熱く話したという(デイリースポーツ)。

タッキーの「後ろに下がっちゃダメ」という一言は重い。

今回の震災で、「後ろに下がっ」て西の方に逃げ、安全な所から政府や原発に対する遠吠え的な「批判」をしている者がいる。逃げるのはその人の自由だが、そんな人間の声に誰も得心はしない。もはや発言者としての存在意義はない。

それはそうだろう。その態度は被災の中心地である福島だけでなく、若干の影響がある東京の人々をも見捨てたに等しい行為だからだ。

たとえば、福島の人が強制的に避難をさせられて家を奪われ、避難場所から原発や政府の不作為に文句を言うならわかる。

しかし、自分の意思で勝手に逃げていった人間が何を言うことがあるのだろう。逃げたのならそれでいいだろう、今回の闘いに敵前逃亡をしておいて、まだ文句があるのかといいたい。それはアンフェアな態度だ。

だいたい、関東よりも関西の方が健康上、有意に有利であるという合理的な根拠はない。

もともと放射能の自然被曝は関西の方が高い。お隣の国は核実験が取り沙汰されるが、それによる放射性物質を真っ先にかぶるのは地形上関西である。げんに関西では、中国から来たと思われる黄砂の放射性物質が問題になっているではないか。

それに、福島からいったん風に乗って太平洋に出た放射性物質は、自転や風の影響で再び日本列島に戻ってくる。それは東京を超えて静岡以西に来る。げんに静岡では数値が出ており、おそらく今年の新茶は「風評被害」の的にかけられるだろう。

しかも、大気にはアスベストや排気ガスなど、実は現在の放射線物質の何十倍もリスクのあるものが存在している。

つまり、今回の放射線濃度の上昇という「リスク」は、少なくとも東京で言えばワン・オブ・ゼムに過ぎない。

そういった判断が出来ないのは、いわゆるトンデモさんである。

もちろん、不必然な被曝を避けるべく対応するのは間違ったことではなく、とくに小さなお子さんの水や食べ物に気をつけるというのは自分でできるリスク回避として有効であり賛成である。ただ、逃げ出すとなれば話は違ってくる。そこまですることに、現段階で合理性もない。

いずれにしても一部の扇情報道にみすみすひっかかった者は、もはや「マヌケでフヌケな大衆」として、金輪際偉そうな発言は自粛していただきたいものである。