16歳から「面白いキャラ」という発想を貫く

バラエティへの慧眼

中居正広が身長を逆詐称したのは、面白キャラを自ら選択したから、ということは前回書いた。城島茂は、それを「スゴイ」と称した。それに対して、「スゴイ」といっても、現在、バラエティ番組にグループとして、また個人で出演している中居正広なら、その程度のエピソードは当然の話ではないのか、SMAPはもともとバラエティにも出てるし、という見方もあるかもしれない。
中居正広がリーダー格のSMAPといえば、デビュー時、必ずしも華々しいスタートを切ったわけではない。中居正広はリーダーとして相当ストレスが溜まっていたという。

木村拓哉を訪ねてボコボコにした(後に木村拓哉もラジオ番組で事実であることを認める)、なんていうエピソードもあった。

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SMAPは以降、ドラマ組(森且行、木村拓哉、稲垣吾郎)とバラエティ組(中居正広、草なぎ剛、香取慎吾)に分けて売る戦術をとった。

そして、木村拓哉が93年に『あすなろ白書』(フジテレビ系)でブレイクして以来、もともとグループでは脇の位置だった木村拓哉が中心になり、森脱退後はメンバーがドラマとバラエティの相互乗り入れ路線をとることで、グループとしても個々のメンバーもさらに仕事の幅を広げて化けていった。

だが、中居正広が自分のキャラ作りを意識したのは16歳、88年のアイドルデビュー時のことである。そのぐらいの年齢の読者のみなさんは、かりに自分が芸能界にデビューするとして、どんなキャラでいったらいいか、ということを自分で判断できるだろうか。16歳どころか、30歳でもなかなか判断つかないだろう。

しかも、SMAP=バラエティというイメージは、デビューがうまくいかなかったから、事務所的には半ば苦し紛れに始めた結果であり、デビュー時に、オカマタレントとキスまでする今日のSMAPを想定していたわけではない。にもかかわらず、少なくとも中居正広だけはデビュー時から「面白いキャラ」を想定していたのだ。

普通なら、アイドルとしてデビューすれば、美少年然とした華やかな活躍を夢想するだろう。ジャ二ーズ事務所からのデビューならなおさらである。

それなのに、中居正広少年には「面白いキャラ」という発想があった。けだし、城島茂が感心するように「スゴイ」ではないか。

2011年9月、SMAPは「SMAP AID SPECIAL FAN MEETING 2011」を、西武園ゆうえんち・波のプールで開催した。

イベントを報じた『東京スポーツ』(2011年9月7日付)は、同所で20年前のその日に『Can’t STOP!!-LOVING-』でデビューしたSMAPの、同地におけるデビューイベントの写真も掲載しているが、他のメンバーがひたむきに歌う中で、中居正広だけはコミックバンドを意識した振る舞いでうつっている。

中居正広、たいしたモンだ!

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