「根は善人な爆弾男」の訴求力はバツグン

骨を埋めるつもりで頑張る

田中聖は、やんちゃもさんざんやってきたが、KAT-TUN存続についてもっとも積極的に、そしてもっとも熱いメッセージを発信した人物である。「やんちゃ」と「いい奴」の両面があるというのは再三書いてきたが、まさにその「いい奴」の真骨頂は、このKAT-TUNの代貸し的な責任ある熱い思いではなかっただろうか。
田中聖は、たとえば、赤西仁の離脱騒動で揺れるKAT-TUNの中で、「KAT-TUN's マニュアル」においてメンバーを代表して熱い思いを綴った。

「今回みんなには少し不安な思いもさせちゃってるかもしれないね(涙)それは俺が代表して頭を下げます。ゴメンね」

「俺らにはこの決断が今回は最善だった。お金をもらう以上全力で返さなきゃいけない、見せなきゃいけない。ガキじゃないし……それがプロフェッショナルって事だと思う」

「KAT-TUNっていう俺の居場所だけは何があってもなくせない。守りたい。だから踏ん張る」

「俺らは止まらないし止まる気もサラサラない。だから……ついてきてください あなた達がいなければ何もできない情けない俺達だけど……精一杯で、全力で恩返しするから」

「根は善人な爆弾男」であるKAT-TUNの訴求力はバツグンで、このメッセージでコアなファンとメンバーは一体になったといわれる。

そして、ゴクーンになって夏のツアーの最中である10年8月27日には、『KAT-TUN LIVE TOUR 2010 PART2:WORLD BIG TOUR』で、またまたKAT-TUNらしい言葉でグループに対する熱い思いを語って注目を集めた。

『エンタテインメント週刊誌オリ★スタ9/6号』から一部を抜粋してみよう。

ーほかのメンバーのソロもすごく個性があるし。一方では、グループとしてのまとまりもすごく感じました。

田中 “お手手つないで”っていうわけじゃないし、ほかのメンバーの背中を守ってやる気もないんだけど、今はまとまらないといけないときだと思うし、そのあたりは自然に出てるんじゃないかな。ライヴの根本も変わらないよね。お客さんにありがたみを感じてるからと言って、『声、出してくださいね』とは言わないわけで。やっぱり、『聞こえねえんだよ、この野郎!』って言わなくちゃいけないと思ってるから。それがリップサービス(笑)。

ー当然、このワールドツアーも……。

田中 うん、次につなげなくちゃいけないと思うし。来年はもっとデカいことがやりたいって思ってるからね。できるかどうかはわかんないけど、やりたいって思うことが大事。

ー「この5人で成功させたい」という気持ちも強い?

田中 まあ、別に5人だろうが1人だろうが、2人だろうが3人だろうが4人だろうが同じだけどね。失敗したら、そこで終わりだと思ってるから。“5人だから”っていう考え方はないんだよ、ホントに。たとえば“おまえ1人で、KAT-TUNとしてライヴをやれ”って言われたら、それをやって成功させるしかないから。歌えないところがいっぱい出てきちゃうけどね、1人だったら(笑)。でも、中丸のボイパも田口のソロのパートも、ぜんぶ練習してやるよ。

ーすごい覚悟ですね、それ。

田中 だって、KAT-TUNとして始まっちゃったから。NEWSでも関ジャニ∞でもなく、KAT-TUNだからさ。骨を埋める覚悟はあるよ。

田中聖が意外と善人ということは知られていても、これほど深いヤツだとは思わなかったのではないか。

やんちゃである一方で、グループに対する自信と思いやりと矜持をこれほどキッチリ語れるのは、グループ解散の危機を本気で受け止めてきたからだろう。

田中聖はこの間のインタビューやメッセージで、一切「赤西」という言葉を発していない。それは何より、いつまでも赤西仁に引きずられるのではなく、自分たち5人のグループを語っているのだ、という強い決意のあらわれにほかならない。

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