久々のドラマに主演で盛り返した

トップページ ＞ 亀梨和也と妖怪人間ベム

亀梨和也が昨秋出演した「妖怪人間ベム」は、何かと話題になった。

すでに30年以上前のアニメのリメークであることや、亀梨和也ドラマがこれまで不調続きであったことから今回はいったいどうなるのか、といささか意地悪な注目を集めたのだ。

結論から述べると、この地上波ドラマ不調の時代にまずまずの数字だったといえるのではないか。

しかし、放送中もあれこれメディアには書きたてられている。もっとも、逆にそれを乗り切ることで、俳優・亀梨和也が大きく飛躍できるチャンスといえるかもしれないが……。

亀梨和也が、実写版『妖怪人間ベム』に主演することを自ら発表したのは11年9月2日に放送された『亀梨和也KスバイKス』（ニッポン放送）だったと思う。当時の記録では、亀梨和也はこうコメントしている。

「これからどういうふうに役を作っていくかプロデューサーさん、監督さんとともにお話していくんですが、漫画のほうだと、ベムの実年齢はもっと設定が上で、体格ががっしりしてて、漫画の人間の姿もさ、アニメだから人間ばなれしてるじゃないですか。（ドラマは）どっちかっていったらもっと人間に寄せるのかなって話はチラホラあって……」

要するに、亀梨和也は「自分のベムを創るぞ」とやる気満々だったのである。

「亀梨和也主演の実写版なんか作ったら、アニメのイメージが崩れてしまうよ」という、リメイクに対して必ず出てくる「オリジナル原理主義」に、「自分の妖怪像を表現しますよ」と断っているわけだ。

この心意気やよし、である。

亀梨和也はこの時期、帝国劇場の『ドリームボーイズ』と掛け持ちしていたが、少なくとも亀梨和也自身は乗り切る覚悟があった。

なぜかといえば、亀梨和也の出るドラマはなかなか数字が出せず、「逆視聴率王」などという不名誉な異名までつけられていたから、亀梨和也を主演では使いづらい、というテレ後業界の声もあると一部では報じられた。

腰が低く、ジャニーズタレントとしては比較的製作現場のウケはよいともいわれる亀梨和也だが、肝心の数字が取れなければ評価が下がるのはやむを得まい。

それだけに、また連続ドラマ主演のチャンスが巡ってたきたことに喜び、今度こそ、と思ったのだろう。

野球キャスターとしての仕事に熱中していたが、決して俳優業も諦めたわけではなかった亀梨和也。さぞや思うところあっただろう。

その気持ちが通じたか、第1回目の放送では平均視聴率18.9％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）とまずまずのスタートを切り、第2話は20.7％とさらに数字を伸ばした。

少なくとも、過去に一桁まで落ち込むことがあった亀梨和也ドラマとしては、この時点ですでに「想定外」の健闘とすらいえた。